Googleがスマートフォン対応をランキング要因に利用したことで、対応を急いでいる方もいると思いますが・・・
本当にスマートフォン対応が必要でしょうか?
もちろん、「スマートフォン対応をするべきではない」と言いたいのではありません。
むしろ、”簡単にできる”ならスマートフォン対応はするべきです。
私が言いたいのは、「あなたのWebサイトにとって本当か?」ということです。
例えば、あなたのWebサイトに1ヶ月5000人の訪問者があり、その内の2パーセント(1ヶ月100人)がスマートフォンユーザーとしましょう。Webサイトをスマートフォン対応するために、Web制作会社に見積もりをお願いしたところ、「30万円必要です。」と言われました。
さて、この場合、1ヶ月100人の訪問者のために、30万円支払う価値があるでしょうか?
※もちろん、社内でWebサイトを制作している場合も、1日あたりの人件費 × 作業日数で考える必要があります。
目次
Webサイト・ブログのスマートフォン対応の必要性
まずは、一般的なWebサイト・ブログのスマートフォン対応の必要性を解説していきます。
1. モバイルユーザーの増加
スマートフォンやタブレットの普及により、多くのユーザーがインターネットにアクセスする際にモバイルデバイスを利用しています。
モバイル対応していないサイトは、スマホユーザーにとって使いにくく、アクセス数や滞在時間に悪影響を与えます。
2. ユーザーエクスペリエンス(UX)の向上
モバイル対応することで、スマートフォンやタブレットでも快適に閲覧できるレイアウトを提供できます。
文字が小さすぎたり、操作しにくいボタンがあると、ユーザーはすぐにサイトを離れてしまいます。
モバイルに最適化されたサイトは、読みやすく操作しやすいため、ユーザー満足度が向上します。
3. 検索エンジンのランキングに影響
Googleなどの検索エンジンは、モバイルフレンドリーなサイトを優遇し、ランキングに影響を与える「モバイルファーストインデックス」を採用しています。
モバイル対応していないサイトは検索順位が低くなり、新しい訪問者を獲得するチャンスが減少します。
4. SEO効果の向上
モバイル対応は、SEO(検索エンジン最適化)において重要な要素です。
レスポンシブデザインやモバイル向け最適化を施すことで、検索エンジンのアルゴリズムに好影響を与え、検索結果の上位に表示されやすくなります。結果として、オーガニックトラフィックが増加します。
5. 競争力の維持
多くの企業や個人がスマホ対応のサイトを構築しており、競争が激化しています。
モバイル対応していないと、他の競合サイトにユーザーを奪われる可能性が高まります。スマホ対応することで、競争力を維持し、ユーザーに選ばれるサイトとなることができます。
6. コンバージョン率の向上
特にECサイトやビジネスサイトでは、ユーザーがスマートフォンでスムーズに操作できるかどうかが、商品の購入や問い合わせの成功に大きく影響します。
モバイルに最適化されたサイトは、より多くのユーザーが快適に取引を行えるため、コンバージョン率の向上につながります。
7. 将来的なトレンドに対応
モバイルデバイスの利用は今後も増加し続けると予測されています。モバイル対応は一時的な対策ではなく、今後も続くウェブのトレンドです。
将来的な変化に対応し、継続的にユーザーのニーズに応えるためにも、早期のスマホ対応が必要です。
8. ソーシャルメディアとの親和性
多くのユーザーがスマートフォンを使ってソーシャルメディアを利用しており、ソーシャルメディアからのトラフィックはスマホ対応が必須です。
ソーシャルメディアからリンクされたページがモバイル対応していないと、離脱率が高くなります。
30万円あれば他に何ができる?
ここで考えるべきなのは、30万円あれば他に何ができるかです。
広告を出す
もし、予算30万円で、GoogleやYahoo!の検索結果などに表示されるリスティング広告を新しく出せばどうなるでしょうか?
仮に、1クリックあたりの単価が30円とすると、30万円 ÷ 30円で1万人の訪問者を増やすことができます。
記事を増やす
SEO対策で重要なのは、質の高い記事を増やすことです。
もし、予算30万円で、外注で記事の作成を依頼すればどうなるでしょうか?
クラウドワークスで1記事あたりの相場を見ると、500円~3000円です。仮に、1記事あたり2000円で作成を依頼すると、30万円 ÷ 2000円で150記事を増やすことができます。
※ただし、良いライターを探したり、どのような記事を書いてほしいかを伝えたり、こちら側の手間がある程度かかります。
他にも、30万円あれば、新しくWebサイトを立ち上げたり、色々できると思いますが、私が伝えたかったのは、
スマートフォン対応 > 他にできること
になるかどうか。
つまり、他にできることと比べて、スマートフォン対応は、コスト、時間的に価値がある、成果がでるのかどうかです。
特に、B to Bサイト(企業間取引向けのWebサイト)は、パソコンを使って訪問する可能性が高いので、無理をしてまでスマートフォン対応をする必要がないかもしれません。
ここは、本当に必要かどうかよく考えて、Web制作会社の言いなりにならないよう、気をつけたいところです。
Googleアナリティクスでスマートフォンユーザーを確認
実際に、あなたのWebサイトにスマートフォンユーザーがどのぐらい来ているのか見てみましょう。
Googleアナリティクスを開き、左メニューからユーザー>モバイル>サマリーを選んでください。
次のような画面が開くので、「mobile」の項目を見てください。
セッションとは、訪問者数のことです。
訪問者2792人に対して、desktop(パソコン)が2026人、mobile(スマートフォン)が698人、tablet(タブレット)が68人となっています。
このWebサイトは、スマートフォンの割合が25%と高いです。スマートフォン対応の有無がランキング要因になると、全訪問者数の1/4に影響があるので、スマートフォン対応をした方が良いと判断できます。
補足:タブレットはランキング要因に利用しない
補足として、Googleは、タブレットをランキング要因に利用しないので、スマートフォン対応の判断材料にする必要はありません。
パソコンやタブレットでの掲載順位もこの変更の影響を受けますか?
いいえ。今回のアップデートは、タブレットやパソコンからの検索には影響しません。影響する範囲は、スマートフォンから行われるすべての言語および地域での検索です。
Googleウェブマスター向け公式ブログ「4 月 21 日のモバイル フレンドリー アップデートについてのよくある質問」
まとめ
周りが「スマートフォン対応が必要!」と言っていても、あなたが運営しているWebサイトに、それが当てはまるとは限りません。
私は、B to Bサイトを複数担当していますが、WordPressで構築したWebサイトのみを対応しました。
『超簡単にWordPressをスマートフォンに対応させる方法』で紹介した方法を使えば、およそ半日でスマートフォン対応でき、メリットが大きいと判断したからです。
スマートフォン対応が難しいWebサイトは、スマートフォンユーザーの割合が15%と比較的高かったのですが、手間と時間を考えて対応を見送りました。
今後は、スマートフォンの訪問者数を注意深く観察して、必要があれば対応していきたいと考えています。