「Tailscaleは便利そうだけど、本当に安全なの?」
そんな疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
Tailscaleは、従来のVPNとは異なる仕組みでデバイス同士を直接つなぐメッシュ型VPNサービスです。
設定が簡単で高い利便性がある一方、仕組みを正しく理解していないと安全性に不安を感じることもあります。
この記事では、Tailscaleのセキュリティの仕組みや暗号化方式をわかりやすく解説しつつ、利用前に知っておきたいリスクや注意点についても整理します。
Tailscaleを安心して使うための判断材料として、ぜひ参考にしてください。
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Tailscaleとは
まずは、Tailscaleについて簡単におさらいしましょう。
Tailscaleとは、デバイス同士を安全に直接接続できるメッシュ型VPNサービスです。
従来のVPNのように専用サーバーを立てたり複雑な設定を行う必要がなく、個人から企業まで幅広く利用されています。
Tailscaleの最大の特徴は、WireGuardをベースにした高速かつ安全な通信です。
各デバイスに専用の仮想IPアドレスを割り当て、インターネット越しでもまるで同じネットワーク内にあるかのように接続できます。
また、GoogleやMicrosoft、GitHubなどの既存のIDプロバイダーでログインできる仕組みを採用しており、アカウント管理もシンプルです。
Tailscaleのセキュリティの仕組み
Tailscaleのセキュリティの仕組みは、従来のVPNとは考え方が大きく異なり「最初から安全に設計された構造」になっています。
ポイントごとに分かりやすく解説します。
1、WireGuardベースの強力な暗号化
Tailscaleは、最新世代のVPNプロトコルであるWireGuardを基盤に採用しています。
WireGuardは設計がシンプルでコード量が少なく、脆弱性が入り込みにくい点が大きな特徴です。
そのため、従来のVPN方式と比べても高い安全性が確保されています。
通信の暗号化には、Curve25519(鍵交換)・ChaCha20(暗号化)・Poly1305(認証)など、現代のセキュリティ分野で信頼性の高い暗号技術が使われています。
これにより、通信内容は第三者に盗み見られたり、改ざんされたりするリスクを大幅に低減できます。
また、WireGuardは常時接続型ではなく、必要なときにのみ安全なトンネルを確立する仕組みのため、無駄な通信が少なく高速かつ安定している点も特徴です。
セキュリティとパフォーマンスを高いレベルで両立していることが、Tailscaleの安全性を支える重要な要素となっています。
2、エンドツーエンド暗号化(E2EE)
Tailscaleでは、すべての通信がエンドツーエンド暗号化(E2EE)で保護されています。
これは、通信データを「送信するデバイス」と「受信するデバイス」だけが復号できる仕組みで通信経路の途中にいる第三者は内容を一切読み取れません。
この仕組みにより、Tailscaleの運営側や中継サーバー(DERPサーバー)であっても通信内容を閲覧することはできません。
あくまで暗号化されたデータを転送しているだけの立場となります。
また、鍵の管理は各デバイス側で行われ、秘密鍵が外部に送信されることもありません。
そのため、サーバー侵害や内部不正が起きた場合でも通信内容が漏えいするリスクは極めて低い設計になっています。
E2EEの採用によりTailscaleは自宅利用から企業利用まで機密性の高い通信にも安心して使えるVPNサービスとなっています。
3、直接通信(P2P)を優先
Tailscaleは、可能な限りデバイス同士が直接通信(P2P)する仕組みを採用しています。
これにより中央のVPNサーバーを常に経由する必要がなく、通信経路がシンプルになります。
直接通信を行うことで
- 中継サーバーを攻撃されるリスクが減る
- 通信の遅延が少なく高速
- ボトルネックが発生しにくい
といったメリットがあります。
また、P2P通信が基本となるため、Tailscale側が通信内容を管理・制御する場面がほとんどなく、プライバシー面でも有利です。
セキュリティとパフォーマンスの両面で優れた構造がTailscaleの安全性を支えています。
4、DERPサーバーは中継のみ
Tailscaleでは、基本的にデバイス同士の直接通信(P2P)を優先しますが、NATやファイアウォールの影響で直接接続できない場合があります。
その際に利用されるのがDERP(Detoured Encrypted Routing Protocol)サーバーです。
DERPサーバーの役割は、あくまで通信を中継するだけです。
通信内容は常にエンドツーエンド暗号化(E2EE)された状態で送られるため、DERPサーバーやTailscale運営側が中身を確認・保存することはできません。
この仕組みにより
- 直接通信できない環境でも安全に接続可能
- 中継サーバーが侵害されても情報漏えいしにくい
- 通信の可用性とセキュリティを両立
といったメリットがあります。
DERPサーバーは「最後の手段」として使われる安全な中継点であり、Tailscaleのセキュリティ設計を損なわない補助的な存在となっています。
5、公開鍵認証によるデバイス管理
Tailscaleでは、公開鍵・秘密鍵方式によるデバイス認証を採用しています。
各デバイスごとに固有の鍵ペアが生成され、通信の認証や暗号化に使用されます。
この方式では、IDやパスワードを通信経路に流す必要がありません。
そのため、パスワード漏えいやフィッシング攻撃といったリスクを大きく減らすことができます。
認証は鍵を持つデバイスそのものに紐づくため、なりすましも起こりにくい設計です。
また、管理画面からは
- 接続を許可するデバイスの承認・削除
- 紛失・不要になった端末の即時無効化
といった操作が可能です。
これにより、デバイス単位で厳格なアクセス管理を行えます。
公開鍵認証を採用していることでTailscaleは個人利用だけでなく、組織利用でも高い安全性と管理性を実現しています。
6、アクセス制御(ACL)による細かな制限
Tailscaleでは、ACL(Access Control List/アクセス制御リスト)を使って、ネットワーク内の通信を細かく制御できます。
ACLを設定することで「誰が」「どのデバイス・サービスに」アクセスできるのかを明確に定義できます。
例えば、
- 特定のユーザーやデバイスだけにサーバーへの接続を許可
- 管理用ポートには管理者のみアクセス可能にする
- 不要な通信はすべてブロックする
といったルールを柔軟に設定できます。
この仕組みにより最小権限の原則を実現でき、万が一アカウントや端末が侵害された場合でも被害範囲を最小限に抑えることが可能です。
ACLは設定ファイルとして管理できるため、ルールの変更や見直しもしやすく、個人利用からチーム・企業利用まで幅広く対応できます。
細かなアクセス制御が行える点もTailscaleの安全性を高めている重要な要素です。
Tailscaleのセキュリティ上の危険性・リスク
Tailscaleは設計上とても安全性の高いサービスですが、使い方次第ではリスクが生じる点もあります。
ここでは、事前に知っておきたいセキュリティ上の危険性・注意点を分かりやすく整理します。
1、IDプロバイダー依存のリスク
Tailscaleは、Google・Microsoft・GitHubなどの外部IDプロバイダーで認証します。
そのため、
- IDプロバイダーのアカウントが乗っ取られる
- 二段階認証を設定していない
といった場合、Tailscaleネットワーク全体に不正アクセスされる可能性があります。
対策
- IDプロバイダー側で必ず二段階認証(MFA)を有効化
- 不要なアカウント連携は解除
2、ACL未設定・設定ミスによるリスク
ACL(アクセス制御)を適切に設定しないと、
- 本来アクセス不要なデバイスにも接続できてしまう
- 内部ネットワークが広く公開状態になる
といった状態になりがちです。
対策
- 最小権限の原則でACLを設定
- 定期的にACLルールを見直す
3、端末のセキュリティに依存する
Tailscaleは端末同士を直接つなぐ仕組みのため、1台でもマルウェア感染や端末盗難が起きるとその端末が入口になるリスクがあります。
対策
- 端末のOSやソフトを常に最新に保つ
- 不要なデバイスは管理画面から即削除
- 紛失時はリモートでアクセス無効化
4、誤設定による意図しない公開
サブネットルーターやエグジットノードを設定する際、設定を誤ると
- 社内ネットワーク全体が想定以上に共有される
- 外部通信が意図せずTailscale経由になる
- いった問題が起きることがあります。
対策
- サブネット共有やエグジットノードは用途を理解してから有効化
- テスト環境で事前確認を行う
5、ゼロトラスト前提の理解不足
Tailscaleは「安全だから全部つないでOK」というサービスではなく、ゼロトラスト前提の設計です。
この考え方を理解せずに使うと設定不足がリスクにつながります。
対策
- ACL・デバイス管理・ログを定期的に確認
- 必要な通信だけを許可する運用を徹底
まとめ
Tailscaleは、WireGuardベースの強力な暗号化やエンドツーエンド暗号化、P2P通信を中心とした設計により、非常に高い安全性を備えたVPNサービスです。
通信内容は当事者間でのみ復号され、運営側や中継サーバーでも中身を確認できない仕組みになっています。
一方で、IDプロバイダー依存の認証方式や、ACL設定・デバイス管理の不備によるリスクがあるのも事実です。
Tailscaleは「自動的にすべて安全になる」サービスではなく、ゼロトラストの考え方を前提に、適切な設定と運用が求められます。
正しく設定し、二段階認証やアクセス制御を徹底すれば、Tailscaleは従来型VPN以上に安全で柔軟なネットワーク環境を構築できます。
仕組みとリスクを理解したうえで使うことが、安心して活用するためのポイントです。
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