企業や個人のWebサイトを見ていると、ページの下部に「Copyright © 2010-2021 ○○○ All Rights Reserved.」という記述があります。
この記述は、Copyright(コピーライト)と呼ばれるものです。
でも、Webサイトによっては、”Copyright”があったりなかったり、”年号”があったりなかったり、”All Rights Reserved.”があったりなかったり、書き方がバラバラです。
Webサイトを制作するときも、「どのように書けばいいのか」迷います。
ということで、このページでは、Copyright(コピーライト)の意味と書き方をまとめました。
目次
Copyright(コピーライト)の意味
Copyright(コピーライト)とは、「著作権」という意味です。
著作権(ちょさくけん)はコピーライト(en:copyright)とも呼ばれ、言語、音楽、絵画、建築、図形、映画、写真、コンピュータプログラムなどの表現形式によって自らの思想・感情を創作的に表現した著作物を排他的に支配する財産的な権利である。著作権は特許権や商標権にならぶ知的財産権の一つとして位置づけられている。
引用元:Wikipedia「著作権」
つまり、Copyright(コピーライト)をWebサイトに記述することで、「このWebサイトには、著作権がありますよ。だから、勝手にコピーしないでね。」と示しています。
Copyright(コピーライト)を記述する必要はない
結論をいうと、Copyright(コピーライト)を記述する必要はありません。
なぜなら、著作物は、Copyright(コピーライト)の記述があっても無くても、日本の法律でしっかりと守られます。
もし、Webサイトを見て「Copyright(コピーライト)の記述ないから大丈夫!」と思って、勝手にコピーすると、違法になります。
海外では、Copyright(コピーライト)を記述する必要があるのか
海外でも、多くの国では、Copyright(コピーライト)を記述する必要はありません。
多くの国では、日本と同じく、著作物は、Copyright(コピーライト)の記述があっても無くても、著作物は、著作権で守られます。
これは、日本も含め、多くの国が加盟している「ベルヌ条約」の「著作権は、申請・審査・登録などの手続きを一切必要とせず、著作物が創作された時点で自動的に付与される」(無方式主義)に基づきます。
ちなみに、Copyright(コピーライト)の記述は、「万国著作権条約」の規定によるものですが、ほとんどの国は、「ベルヌ条約」に基づく無方式主義に移行しており、時代遅れのものとなっています。
なぜ、Copyright(コピーライト)を記述するのか
では、なぜ、記述する必要のないCopyright(コピーライト)を記述しているのでしょうか?
理由は、3つ考えられます。
- 無断転載・無断コピーを抑止するため
- 著作権者を示すため
- そういう慣習となっているから
1、無断転載・無断コピーを抑止するため
コピーライトを記述していることで閲覧者に「このホームページは◯◯が所有している」と訴えかけることが可能です。
著作権違反を繰り返す者にとっても、コピーライトを記述しているホームページは権利保護に厳しい対処をとる印象を多少なりとも与えます。
その結果、コピーライトがない場合と比較して、無断転載・無断コピーを減らすことが期待できます。
2、著作権者を示すため
日本では、著作権の登録をしなくてもコンテンツが法律で守られます。
しかしながら、何も記述していない状態では、誰が著作権を持っているのか分かりません。
コピーライトを記述することで「◯◯が著作権者である」と示すことが可能です。
3、そういう慣習となっているから
コピーライトは、習慣として記述している側面も大いにあります。
多くのWebサイトでコピーライトを見かけることから「とりあいず、自分のWebサイトでもコピーライトを記述しよう」という考えです。
Copyright(コピーライト)の書き方
法律上は、Copyright(コピーライト)を記述する必要はないといっても、一応、書き方のルールはあります。
最低限必要なものを記述したのが、次のCopyright(コピーライト)です。
© 2021 Webコミュ
または
(C) 2021 Webコミュ
「©」「(C)」は、コピーライト(著作権)を表すマーク
「2021」は、著作物を発行した年(Webサイトを公開した年)
「Webコミュ」は、著作権者
よく見かけるCopyright(コピーライト)の書き方は、「Copyright © 2010-2021 著作権者 All Rights Reserved.」ですが、「© 2010 著作権者」だけでもOKです。
ただ、年号が古いままだと「サイトが更新されていない」と思われる可能性があるので「© 2010-最新年号 著作権者」がオススメになります。
※All Rights Reservedは、南北アメリカ大陸を中心に運用されている「ブエノスアイレス条約」に基づいた記述方法です。(日本は調印していないため、必要ありません。)
「©」が表示されない
HTMLファイルの文字コードを「Shift_JIS」で宣言している場合、「©」が表示されない可能性があります。
そのときは、「©」の代わりに「©」を半角英数字で記述してください。
法人の著作権者の書き方について
Copyright(コピーライト)を記述している会社を見ていると、「会社名 Co.,Ltd.」だったり、「会社名 Corp.」だったり、「会社名 Inc.」だったり、「会社名 Ltd.」さまざまです。
どれも「株式会社」「有限会社」という意味ですので、好きものを使ってください。
※会社名を英文で商号の登記している場合は、そちらで記述しましょう。
WordPressで西暦を自動更新する方法
WordPressでブログを構築している場合は、自動的に現在の西暦に更新可能です。
これにより年号が変わるたびに「2019年」「2020年」「2021年」と書き換える手間を省くことができます。
方法としては、コピーライトを表示させているPHPファイル(footer.phpなど)で西暦を次のタグに切り替えるだけでOKです。
<!--?php echo date('Y'); ?-->
例えば「© 2010-2021 Webコミュ」と表示させたい場合は、次のように記述しましょう。
© 2010-<!--?php echo date('Y'); ?--> Webコミュ
引用のルールを遵守すれば合法的に他人の文章を利用できる
他人の文章や画像を無断で複製すると著作権違反になります。
ただし、文章の複製がすべて違法になるわけではなく、引用のルールの範囲内であれば、著作権者に許可をとらなくても自由かつ合法的に他人の文章を利用することができます。
具体的には、次の引用のルールを遵守していれば、合法的に複製が可能です。
他人の著作物を自分の著作物の中に取り込む場合,すなわち引用を行う場合,一般的には,以下の事項に注意しなければなりません。
- 他人の他著作物を引用する必然性があること
- かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること
- 自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)
- 出所の明示がなされていること(第48条)
出典:文化庁「著作物が自由に使える場合 」
1、他人の他著作物を引用する必然性があること
他人の著作物を引用する場合は「本当に引用する必要があるのか?」という点が問われます。
例えば、ある本の内容について批評をしたい場合は、その本の「どこの内容について指摘をしたいのか」を記述する必要があり、引用として認められます。
逆に他人が作成したイラストを載せたにも関わらず、全く関係のない内容を書き連ねた場合は、必然性があるとは認められません。
ブログのアクセスを稼ぐためにイラストを利用したとして著作権侵害に問われる可能性があるので注意しましょう。
2、かぎ括弧をつけるなど,自分の著作物と引用部分とが区別されていること
他人の文章を引用する場合は「どこからどこまでが他人の文章か」を明確に区別する必要があります。
例えば、このブログでは、次のようにCSS(スタイルシート)で装飾して、引用の範囲を分かるようにしています。
CSS(Cascading Style Sheets、カスケーディング・スタイル・シート)とは、ウェブページのスタイルを指定するための言語です。
出典:HTMLクイックリファレンス「CSSとは?-CSSの基本」
3、自分の著作物と引用する著作物との主従関係が明確であること(自分の著作物が主体)
他人の文章を利用する場合は、あくまでも自分の文章がメインでなければなりません。
例えば、
- 他人の文章が7割
- 自分の文章が3割
といった場合は、主従関係が逆転して他人の文章がメインとなってしまうので、引用として認められなくなります。
実際、著作物の主従関係について裁判で争われた事例があります。
元サッカー選手の中田英寿さんが卒業文集で書いた詩を出版社が無断で掲載したことで裁判が始まりました。
出版社は、中田さんの人生を紹介するために学生時代に書いた詩を紹介するのは、引用の範囲内であると主張しました。
しかしながら、中田さんの詩は、全15行にわたるものであり、出版社のオリジナルの文章は「中学の文集で中田が書いた詩。強い信念を感じさせる」という2文だけでした。
そこで裁判所は「中田さんの詩がサブではなく、メインとなっている」として引用を認めない判決を下しています。
4、出所の明示がなされていること(第48条)
他人の文章や画像を引用した場合は「どこから引用してきたのか」を明確にしなければなりません。
他人にWebサイトを無断でコピー(盗作)されたときの対処法
自分のWebサイトのコンテンツが無断でコピー(盗作)されてしまった。
そんなときは、検索エンジン最大手のGoogle社に著作権侵害の申し立てを行うことが可能です。
Googleに著作権侵害が認められた場合は、
- 著作物を削除する
- 著作物をアクセス不能にする
- GoogleおよびYahooの検索結果圏外にする
といった対処がなされます。
著作権侵害通知を提出は『Google 著作権侵害による削除』から行うことができ、以下の情報が必要です。
- 名前(必須)
- 会社名
- 自分が代理を務める著作権所有者(必須)
- メールアドレス(必須)
- 国/地域(必須)
- 著作権対象物を特定する情報とその著作物の説明(必須)
- 権利を侵害している著作物の場所(必須)
- 署名日(必須)
- 署名(必須)
※著作権侵害通知に虚偽記載があった場合は、申立人に損害賠償責任が課せられることがあります。
まとめ
Copyright(コピーライト)の表記がなくてもWebサイト・ブログの内容は著作権により保護されます。
しかし、Copyright(コピーライト)を表記することで著作権者を明示することができ、結果的に無断盗用の抑止力になる効果が期待できます。
仮に自分のブログに他人の文章を使いたい場合は、引用のルールに基づいて記載するようにしましょう。