2015年2月1日より、NTT東日本・NTT西日本が提供を開始した「光コラボレーションモデル」を知っていますか?
「言葉は聞いたことあるけど、仕組みがややこしい」と感じている方も大勢いるでしょう。
とにかく、覚えてほしいのは、光コラボレーションを活用することで、家庭の「インターネット」「電話」の通信費用が安くなるということです。
では、なぜ、そう言い切れるのか理由を見ていきましょう。
目次
価格競争が生まれる
一番の理由はこれです。
光コラボレーションモデルによって、NTT東日本・NTT西日本による「フレッツ光」の独占販売が解消され、価格競争が生まれます。
従来のモデルと光コラボレーションモデルの違い
「独占販売が解消される」とは、どういうことでしょうか?
従来のモデルでは、OCN、So-net、@niftyなどの「プロバイダ(販売代理店)」がフレッツ光の契約取次を行い、利用者は、NTT東日本・NTT西日本と利用契約・料金支払いをしていました。つまり、フレッツ光を利用する際は、必ずNTTグループと契約を結ばなければならなかったのです。
光コラボレーションモデルでは、NTT東日本・NTT西日本が「フレッツ光」を100社以上ある販売希望事業者に「卸し」ます。利用者は、数ある販売希望事業者から1社を選択して、利用契約・料金支払いをします。つまり、フレッツ光を利用する際は、複数の会社から1社を選んで、契約を結べます。
【まとめ】
今まで、”フレッツ光”を利用しようと思ったら、「NTT東日本・NTT西日本」と契約するしかありませんでしたが、これからは、「販売希望事業者」100社以上から選んで契約ができます。
なぜ、価格競争が生まれるの?
まだ、ピンとこない方のために、「なぜ、利用者に複数の選択肢があれば、価格競争が生まれるのか」もっと分かりやすく解説していきます。
例えば、東京から大阪の実家に帰省する場合を考えてください。
もし、交通手段が「新幹線のみ」で「片道料金が2万円」だったら、どうでしょうか?
他に交通手段がなければ、いくら高額でも支払わなければなりませんね。
次に、交通手段に「飛行機」が加わり、「片道料金が1万5000円」だったら、どうでしょうか?
「新幹線(片道2万円)」より「飛行機(1万5000円)」の方が安くなったので、今度は「飛行機」を利用すると思います。
しかし、これでは、新幹線の利用者が減少するので、新幹線会社は困ってしまいます。
そこで、利益を少し減らして、片道料金を1万4000円にしました。
「飛行機(片道1万5000円)」より「新幹線(片道1万4000円)」の方が安くなったので、新幹線の利用者が増えます。
実際には、価格面だけでなく、新幹線・飛行機を提供する会社は、椅子の座り心地を良くしたり、機内サービスを充実させたり、サービスを向上させて、利用者を増やそうとします。
これが価格競争であり、価格競争が生まれることで、料金が安くなったり、サービスの品質が向上します。
例:従来のモデルから「OCN光」に乗り換えたとき
例として、従来のモデルから「OCN光」に乗り換えたとき、どのぐらい料金が安くなるのかシュミレーションしてみました。
従来のモデル(OCN 光 with フレッツ) | 光コラボレーションモデル(OCN光) | |
---|---|---|
1年目の月額料金 | 5,800円 | 4,600円 |
2年目以降の月額料金 | 5,800円 | 5,100円 |
2年間の合計金額 | 139,200円 | 116,400円 |
光コラボレーションモデル(OCN光)に乗り換えた場合、同じサービス内容なのに、2年間で22,800円も安くなります。
さらに、「OCN モバイル ONE」を利用中の方は、月額使用料が200円割引になるサービスもあります。
詳しくは、『OCN光』のホームページをご覧ください。
※2015年8月28日時点調べ
光コラボ「OCN光」に転用(乗り換え)でフレッツ光の料金を安く!比較・評判
スマートフォン・格安SIMとセット割
次に、家庭の「インターネット」「電話」の通信費用が安くなる理由は、セット割があることです。
光コラボレーションモデルの中には、「フレッツ光回線」と「スマートフォン・格安SIM」をセットで契約することで、月々の利用料金が安くなる「セット割」が存在します。(auスマートバリューと同じような仕組です。)
有名どころの「セット割」でいうと、「ドコモ光パック」が挙げられます。
これは、株式会社NTTドコモが提供する「スマートフォン」とインターネット光回線「ドコモ光」をセットで契約したときに、受けられる割引です。このセット割では、「光シェアパック30(30GB/月)」プランを契約している場合に、スマートフォンの月額料金が最大3200円安くなります。
他にも、さまざまな会社が多種多様な「セット割」を提供しています。
国内3大キャリアのセット割
参考までに、国内3大キャリアである「NTTドコモ」「au」「SoftBank」が提供しているセット割をまとめてみました。
NTTドコモ「ドコモ光パック」
光コラボレーションモデルの「ドコモ光」と「NTTドコモのスマートフォン」を契約したときに、受けられるセット割です。
プラン名 | データ容量 | 割引額 |
---|---|---|
光データSパック | 2GB | 500円/月の割引 |
光データMパック | 5GB | 800円/月の割引 |
光データLパック | 8GB | 1,000円/月の割引 |
光シェアパック10 | 10GB | 1,200円/月の割引 ※代表回線のみ |
光シェアパック15 | 15GB | 1,800円/月の割引 ※代表回線のみ |
光シェアパック20 | 20GB | 2,500円/月の割引(一戸建て) 2,400円/月の割引(マンション) ※代表回線のみ |
光シェアパック30 | 30GB | 3,200円/月の割引(一戸建て) 3,000円/月の割引(マンション) ※代表回線のみ |
au「auスマートバリュー」
「au光」と「auのスマートフォン」を契約したときに、受けられるセット割です。※光コラボレーションモデルではありません。比較のために掲載しました。
プラン名 | データ容量 | 割引額 |
---|---|---|
データ定額2 | 2GB | 934円/月の割引 |
データ定額3 | 3GB | |
データ定額5 | 5GB | 1,410円/月の割引 (3年目以降は934円/月の割引) |
データ定額8 | 8GB | |
データ定額10 | 10GB | 2,000円/月の割引 (3年目以降は934円/月の割引) |
データ定額13 | 13GB |
※auスマートバリュー(セット割)の適用には、「ひかり電話」の加入が必須
auひかりの高額キャッシュバック&auスマートバリューで通信費を安く・お得に
SoftBank「スマート値引き」
光コラボレーションモデルの「SoftBank 光」と「SoftBankのスマートフォン」を契約したときに、受けられるセット割です。
プラン名 | データ容量 | 割引額 |
---|---|---|
データ定額パック・小容量 | 2GB | 500円/月の割引 |
データ定額パック・標準 | 5GB | 1,522円/月の割引 (3年目以降は1,008円/月の割引) |
データ定額パック・大容量 | 10GB | 2,000円/月の割引 (3年目以降は1,008円/月の割引) |
※スマート値引き(セット割)の適用には、「光BBユニット」「Wi-Fiマルチパック」「ホワイト電話(基本プラン)」の3つのオプション(実質500円/月)の加入が必須
SoftBank光新規申込で最大20,000円、他社転用で最大7,000円キャッシュバック!違約金について
フレッツ光を契約中の多くの方は、割引を適用するために「2年契約」や「3年契約」で契約していると思います。
普通、このような契約内容の場合、途中で解約すると高額の違約金が発生します。例えば、NTT西日本のどーんと割を適用中に解約すると、最大3万円の違約金が発生してしまいます。
しかし、安心してください。
光コラボレーションモデルに転用する場合、フレッツ光の違約金は一切かかりません。
これは、「従来のモデル」から「光コラボレーションモデル」に転用しても、そのまま、NTTグループが提供する光回線を利用するからです。
ただし、プロバイダーの違約金が発生する可能性があります。
とはいっても、プロバイダーの違約金は3000円~6000円程度なので、光コラボレーションモデルの月額料金の安さを考慮すれば、すぐに元は取れると思います。
※転用とは、従来のモデル(NTT東日本・NTT西日本が提供するフレッツ光)から「光コラボレーションモデル」に契約を変更することをいいます。
工事費用について
現在、「フレッツ光ネクスト」を契約している方が、光コラボレーションモデルに転用した場合は、そのまま同じ設備を使うので、基本的に工事費用はかかりません。
※フレッツ光プレミアムなど、他のプランを契約している場合は、光コラボレーションモデルを提供する事業者によって、工事費用が必要かどうか違ってきます。
電話番号の引き継ぎについて
現在、フレッツ光の「ひかり電話」を利用している場合、光コラボレーションモデルに転用しても、そのまま同じ電話番号を引き継ぐことができます。
ただし、その後、別の事業者に乗り換えるときは、電話番号を引き継げない可能性があるので、注意が必要です。
光コラボレーションの月額料金を比較
最後に、光コラボレーションモデルを提供する事業者の月額料金をまとめてみました。
種類 | 戸建て (ファミリー) |
マンション | 特典・割引 |
---|---|---|---|
excite光 | 4,360円 | 3,360円 | |
U-NEXT光 | 4,980円 (にねん割 適用時) |
3,980円 (にねん割 適用時) |
U-mobileのセット割引 |
OCN 光 | 5,100円 (2年自動更新型割引 適用時) |
3,600円 (2年自動更新型割引 適用時) |
事務手数料無料 戸建て→12ヶ月間 500円/月 割引 マンション→12ヶ月間 500円/月 割引 OCN モバイル ONE→200円/月 割引 |
【So-net 光 コラボ】 | 5,100円 (So-net 長割 適用時) |
4,000円 (So-net 長割 適用時) |
戸建て→毎年100円/月ずつ割引(最大400円/月 割引) マンション→毎年50円/月ずつ割引(最大200円/月 割引) |
ビッグローブ光 | 5,180円 | 4,080円 | 戸建て→1ヶ月目 3000円 割引、2~31ヶ月 500円 割引 マンション→1ヶ月目 3000円 割引、2~31ヶ月 400円 割引 |
※2015年8月28日時点調べ
口コミ・評判
NTTの光回線を「販売希望事業者」がそのまま仕入れる仕組みなので、インターネットの品質はまったく同じハズなのですが、ネットの口コミ・評判を読んでいると、
- 光コラボレーションモデルにしてから、インターネットの速度が遅くなった。
- サポートの電話が繋がりにくい。
などの声が目立ちます。
どうやら、回線の品質は同じですが、プロバイダーの設備不足で速度が低下する可能性があるようです。(もちろん、光コラボでインターネットの速度が上がったという口コミもあります。)
最後に
光コラボレーションモデルは、NTTの独占状態を解消し、幅広い事業者が参入することで、様々なサービスが生まれることを目指しています。
例えば、スマートフォンのセット割りなどを活用することで、よりお得にインターネットを使うことができます。
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