エックスサーバーとシックスコアの比較(違い)

※現在、シックスコアは専用サーバーの新規受付を停止しています。

エックスサーバーとシックスコアは、どちらも株式会社エックスサーバーが提供しているレンタルサーバーのブランドです。

先日、仕事でこの2種類のレンタルサーバーを比較する機会がありましたので、「一体、なにが違うのか」分かりやすくまとめてみました。(ちなみに、僕は、どちらも使ったことがあります。)

エックスサーバーにするか、シックスコアにするか、迷っている方は、是非、参考にしてください。

エックスサーバーとシックスコアの比較表

まずは、比較表を見てみましょう。

  エックスサーバー シックスコア
プラン X10 S1
月額費用 1,100円(税込) 1,800円(税抜)
初期費用 3,300円(税込) 6,000円(税抜)
ディスク容量 200GB 50GB
転送量 70GB/日 70GB/日
マルチドメイン 無制限 5個
サブドメイン 無制限 100個
MySQL 無制限 5個
メールアカウント数 無制限 無制限
独自SSL 無料
(クイック認証SSL)
クイック認証SSL
企業認証SSL
稼働率 99.99%以上 99.99%以上
※月別に稼働率(実績値)を公表
サーバー性能 第2世代「AMD EPYCTM」採用(48コア&大容量512GBメモリ)
バックボーン 1.39Tbps
バックアップ Web・メールデータ「過去7日分」、MySQLデータベース「過去14日分」を保持。復元対応
電話サポート 平日10:00~18:00
メールサポート 24時間365日
セキュリティ セコムセキュリティ診断サービス
WAF(Webアプリケーションファイアウォール)
高速化機能 nginx
NVMe
PHP7
Xアクセラレータ
HTTP/2
FastCGI
OPcache
ブラウザキャッシュ設定
mod_pagespeed
FastCGI
APC/OPcache
Xキャッシュ

上の比較表を見ると、サーバー性能とバックボーン(レンタルサーバーと大規模ネットワークを接続している基幹通信回線)に違いはありませんが、エックスサーバーは、料金が安く、ディスク容量も多く、使用可能なドメイン数が無制限、MySQLの数も多くなっています。

一方、シックスコアが優れているところは、独自SSLとセキュリティ、高速化機能にXキャッシュが含まれているぐらいでしょうか。

もし、これらの機能が必要なければ、エックスサーバーの方がコストパフォーマンスが高いように感じますが、実際はどうなのでしょうか?

サポートセンターに問い合わせました

その辺の疑問を解消するために、今回、株式会社エックスサーバーのsixcore サポートセンターにメールで「シックスコアとエックスサーバーの違いについて」問い合わせをしてみました。

以下、sixcore サポートセンターの回答です。

シックスコアとエックスサーバーの違いについてですが、
どちらのサーバーもサーバーコンピュータの仕様そのものや
ネットワーク環境においての差異はございません。

しかし、エックスサーバーと比較した場合
シックスコアはセキュリティーと品質をより重視し
ビジネス向けに最適化したサービスでございます。

一例をあげますと、同サーバーコンピュータに収容されております
ユーザー数には大きな違いがございます。

そのため、サーバーにおけるユーザー毎のリソース等、
安定性においてはシックスコアが優れております。

※具体的な収容ユーザー数は非公開となっておりますが
接続スピードについては、試用期間等をご利用いただきまして
実際に試していただくのがよろしいかと存じます。

また、Cloudmarkという高性能スパムエンジンも採用しており
商用利用などにも適しております。

なおサポート体制については電話・メールでのサポートを
どちらのサービスでも実施しており、その内容についても
それほどの差異はございません。

どちらのサービスも試用期間がございますので
比較していただいた上でご検討いただくのもよろしいかと存じます。

ご不明な点がございましたら、気軽にお問い合わせください。

何卒よろしくお願い申し上げます。

安定性

回答では、シックスコアの方が安定性において優れていると明記されています。

その理由は、「同サーバーコンピュータに収容されているユーザー数には大きな違いがあるため」です。

もう少し詳しく説明すると、レンタルサーバーは、1台のサーバーを1人で使用できる専用サーバーと違い、1台のサーバーを複数人で使用しています。(その分、月額料金が安く設定されています。)

例えば、エックスサーバーでは1台のサーバーを150人、シックスコアでは1台のサーバーを75人といった具合です。(実際の収容人数は非公開のため分かりません。)

エックスサーバーとシックスコアの収容人数の比較例

当然、エックスサーバーとシックスコアのように、サーバーが同性能である場合、サーバー1台あたりの人数が少ないシックスコアの方が安定性が向上します。特に、夜間の時間帯など、インターネットの利用者が多い時間帯に”Webサイトの表示速度”や”訪問者が同時にアクセスできる数”に差がでてきます。

ただ、エックスサーバーにおいても、1台に収容されるユーザー数はある程度制限されているため、僕の体感的にそこまで遅いといった印象はありません。むしろ、他社サーバーに比べれば、とても早く、サクサク表示されます。

そのため、シックスコアは、ビジネスや月間数十万PVのブログで利用する方にはオススメしますが、あまりアクセス数が多くないブログで利用するのは、少々オーバースペックだと思います。

エックスサーバー = 小~中規模Webサイト向け

シックスコア = ビジネス、大規模Webサイト向け

シックスコアはサーバー稼働率を公表

シックスコアは、サーバー稼働率(サーバーが正常に稼働している割合)に自信があるためか、毎月、サーバー稼働率をインターネット上で公表しています。

そのデータを見ると、2014年7月~2016年6月でサーバー稼働率が100%を下回ったのは、2015年1月(サーバー稼働率99.99%)のみ。ほぼ、100%のサーバー稼働率を実現しています。

※事前に連絡がある5分未満のメンテナンス時間は除く。

セキュリティ

セキュリティにおいても「セコムセキュリティ診断サービス」「WAF(Webアプリケーションファイアウォール)」「Cloudmark」のあるシックスコアが優れています。

・セコムセキュリティ診断サービスとは、SECOM Trust Systems 社が実施するネットワーク環境の脆弱性(セキュリティホール)を診断するサービスです。客観的な分析に基づいたセキュリティ対策案が提供されます。

・WAF(Webアプリケーションファイアウォール)とは、Webアプリケーションの脆弱性を狙うサイバー攻撃をブロックする機能です。従来のファイヤーウォールやIDS/IPS(侵入検知・防御システム)で防げなかった攻撃にも効果を発揮します。
※ただし、このWAFが原因でWordPress・他CMSの更新時にエラーが出る可能性があるため、WAFを有効にする際は気をつけた方が良いようです。(無効にすることも可能)

・Cloudmarkとは、米国のCloudmark社が提供する高機能の迷惑メールフィルタです。世界中で実績があります。

独自SSL

エックスサーバー、シックスコアともに独自SSLに対応しています。

SSLとは、インターネットの通信情報を暗号化するプロトコル(通信方法)です。

よくお問い合わせフォームで見かけることが多い思います。SSLを導入することで、第三者に通信情報(個人情報・カード情報など)をのぞきこまれることを防ぐだけでなく、わずかながらSEO対策にも繋がります。

独自SSL導入例▲SSLを使用しているページのURLは、鍵マークが付き、「https://」から始まります。

SSLを導入したい場合は、「クイック認証SSL(ドメイン認証)」「企業認証SSL」「EV SSL」の3つの内、いずれか1つの方法でSSLサーバー認証を行う必要があり、それぞれ”信頼性”が異なります。

クイック認証SSL 企業認証SSL EV SSL
発行対象 個人・法人 法人 法人
実在証明 なし あり あり
信頼性
導入例 個人のWebサイト・ブログのお問い合わせフォームなどで採用されています。 一般企業・法人のWebサイトで幅広く採用されています。 金融機関などで採用されています。

※クイック認証SSL → 企業認証SSL → EV SSLと認証レベルが上がるにつれて料金も上がります。

シックスコアでは、エックスサーバーで対応している「クイック認証SSL(ドメイン認証)」だけでなく、企業・団体が実在することを証明する「企業認証SSL」にも対応しています。※EV SSLは非対応。

エックスサーバー = クイック認証SSL

シックスコア = クイック認証SSL、企業認証SSL

企業認証SSLを採用することで、顧客が安心して、お問い合わせフォームに個人情報やクレジットカード情報を入力できます。

Xキャッシュ

シックスコアは、ページ表示速度高速化のための「Xキャッシュ」という機能が使えます。

通常、動的なWebサイト(WordPressなど)を開くときは、毎回、毎回「PHPからHTMLを生成する処理」が行われ、その処理に時間が掛けられています。

Xキャッシュとは、あらかじめ、「PHPからHTMLを生成する処理」を行い、その内容をサーバー側に「ページ・キャッシュ」として保持しておくことで、「PHPからHTMLを生成する処理」の時間を無くし、ページの表示速度を高速化&サーバーの負荷を下げる機能です。

レンタルサーバーのキャッシュの図解

※ただし、WordPressのキャッシュ系プラグインもそうですが、Xキャッシュにおいても、他のプラグインと干渉を起こし、エラーが発生する可能性があるため使い方には注意が必要です。

このXキャッシュは、ページ全体で使えるだけでなく、「ページ毎」「ディレクトリ毎」に細かく、使うかどうかを設定することが可能です。(もちろん、無効にすることもできます。)

特に、WordPress、他のCMSなど、動的なWebサイトに効果的です。上手く使うことでWebサイトのページ速度を高速化し、SEO対策にも繋がります。

まとめ

シックスコアは、運営元がビジネス仕様(法人向け)をアピールしていることもあり、少々月額料金が高くなりますが、「安定性」「セキュリティ性」「独自SSL導入による信頼性」において、エックスサーバーより優れています。

ディスク容量が50GBで心配という方もいるかもしれませんが、「動画をシックスコアのサーバーにアップロードする」という使い方をしない限りは、十分なディスク容量だと思います。(動画はYouTubeにアップロードすれば良いです。)

事実、写真を豊富に使っている当ブログですら、ディスク容量を0.258GBしか消費していません。

そのため、シックスコアは、企業サイトや収益の高いブログでおすすめです。

逆に、エックスサーバーは、「安定性」「セキュリティ性」こそシックスコアより劣りますが、価格が安い、運営できるWebサイト数が無制限というメリットがあります。

性能やバックボーンは、シックスコアと同じため、格安レンタルサーバーと比較すれば、ページ表示速度も早いです。

小~中規模のWebサイト・ブログを複数運営する場合は、エックスサーバーを選ぶのが良いと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

サラリーマンをしながら、当ブログを運営していましたが、2018年に独立し現在はフリーランスとして活動しています。今まで、数々のWebサイト・ブログを構築してきました。このブログでは、今までの経験で得た知識を活かし、Web制作・SEO関連を中心に、最新のIT関連ニュースを発信。また、ファイナンシャル・プランナー技能士の資格を活かして金融関係の情報も発信しています。